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「ゲティ家の身代金」を観た

「オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド」つうこの映画、今これ以上旬なテーマはないでしょう。70年代、オイルショックの頃です。石油王ジャン・ポール・ゲティの孫がローマで誘拐される、ところが身代金1700万ドルを、この歴史上一番の大金持ちはどうしても払わないのだ。超豪邸に住み、世界の美術品を収集、その嫌らしいドケチさを舐めるようにつぶさに見せてくれるリドリースコット監督。そして、ゲッティをクリストファー・プラマーが、唯我独尊状態で演じて見せてくれるのです。あの名作サウンドオブミュージックで、オーストラリアのやもめ将軍を演じたあのお方。当時の剛毅なキャプテンという役には顔がちょっとニヤケていて、ま、そこもお茶目と言えなくもなかったのですが、歳を追うごとに渋く渋く石の彫像のような面構えに感動。どんな生活をするとこんな顔を掘り起こせるのだろう。絶滅種かもしれない天然の威厳。そういえば同じような顔にマックスフォンシドーっていたよね、エクソシストの神父さんだった。素晴らしく彫り込んだ奇跡のようなジジイ顔、見ているだけで贅沢な気分になる、モトを取ったと感じられる映画ですよ。

 

誘拐された孫の母親役をミシェル・ウィリアムスがやっていた。今まで少し泥臭い感じで好きじゃなかったが、この映画では素晴らしいの!70年代のシャネルスーツが似合うなあ、ちょっと肉付きのいい感じがレトロで素敵!パーマネントヘアにデニムのベルボトムとかも着ています。お金持ちエリートの演技が上手だった!当初この役の候補だったナタリー・ポートマン(ジャクリーヌオナシスやっていた)より絶対巧いよ〜!このお二方の格闘場面がワクワクする。

 

あと、どうしても文句を言いたいのが、マーク・ウォルバーグ。コメディだったら面白いのに、70年代の元CIAには子供顔すぎ。レトロな男性はやっぱり長い顔、大人顔じゃなくちゃね。ミスマッチに自分でも気がついているのかも、一生懸命額をしわくちゃにして苦味走ろうとしてるのが痛かった。

 

この映画ははそもそもケビンスペイシーがゲティを演じることになっていて、もう撮り終わる頃に未成年セクハラ問題で降板することになったのです。クリストファー・プラマーが受けて公開ギリギリに完成。ケビンスペイシーだったら、いくら特殊メイクを施して80代に見せていたとしても、まだまだ中年、ヌメッとしておぞましかっだっただろうなあ。より大きな怒りを誘発する映画になっていたかも。クリストファープラマーの威厳が、この呆れた人でなしキャラクターを若干救ってくれていたのかもしれません。

 

実話を元にしてどのくらい脚色してあるのかはわかりませんが、凄まじいケチの当主がなくなった後には家族はチャリティーで大盤振る舞いしたそうです。それでも、ゲティ家の呪いは続く、誘拐された長男はその後無理やり取らされた麻薬から中毒になり体を壊したり、失明したりして50代でこの世をさってしまった。他の家族たちもなかなか厳しい人生を送ったようです。

 

お金だからわかり易いが、意外と身の回りにも「何か」で猛進しまくって呪いのタネを振りまいている人、いるような気がします。そう言う人が文化を作っていると言う場合も多々あるし、人って業が深い。ネコはいいなあ。

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カンケーのない画像ですみません。靴の大人買い。ゲティ家ならタダでもらえそうです。

 

| 映画〜っ! | 16:25 | comments(0) | trackbacks(0)
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